トランプ大統領誕生後の世界と飛躍した考え
はじめに
11月8日に行われたアメリカ大統領選の結果。共和党のトランプ陣営の勝利に終わった。
アメリカ株、トランプ大統領が誕生する兆候を示す
88年前の1928年以降は「選挙前の3カ月間に株価が上昇した場合は政権与党の候補がほぼ毎回勝利し、その間に株価が下落した場合は野党候補がたいてい勝利した。
このため、S&P500種指数は過去22回の大統領選のうち19回は選挙結果を正確に予想したと言えよう」と指摘した。
2016年8月-10月にかけて、小幅ながらS&P500が下落したと言う事実から、トランプ候補(共和党)が大統領となり政権交代する可能性が高い分析が浮上した。
結果、この記事の予測が正しい結果に。
アメリカの現状
トランプ陣営の勝利。
幾つかの記事から勝利要因は、政治体制に不満を持つ米国国民が増えたという意見があり、個人的にもその意見に同意したい。
また、グローバル化を進め、少数の富裕層や特権階級と所得の増えない一般層の溝が深まったという見方もある。
さらに、アメリカだけでなくイギリスのEU離脱(Brexit)など、世界全体の潮流になりつつあるというのもその通りだと思う。
アメリカ株を始め反騰した世界株式
トランプショック後、急落した株価。
しかし、1日経たず急反発する。日経平均株価はトランプショック前の高値を更新。
NYダウは史上最高値を更新した。
また、為替はドル高となった。弱かったのは円という印象だった。
(ドル高、円安)
暴落した米国債
一方で、暴落したのは米国債である。
10年物の米国債利回りは、総選挙前の1.8%→2.2、2.3%(2016/11/16)の急上昇となった。金利の上昇(債券価値が下落)
出来事のまとめ
今後についての考え
考えるべきは米国国内が2分していると言う点。
アメリカ国内で、反トランプデモが発生しているニュースは多い。
選挙結果が接戦だった点、都市部に反トランプが多いため人口密集地域により注目されやすい点。いろいろあるが、とにかく2分している。
となると、今後トランプ陣営はアメリカ国内をまとめなければならない。
そこで良く話題になるのが、景気刺激のための公共投資である。
公共投資
→アメリカ政府が米国債を多額発行
→既存の米国債の価値低下
→米国債の暴落
米国債の暴落というシグナルは、上の連想からであるというニュース。正解かもしれないが、果たしてそれだけだろうか。
米国債の暴落が本当にこの点だけだったら、将来は明るいのかもしれない。
注目するべきは、国内が分裂しているという点。団結するためには外に敵を作るというのは良くある手法だと思う。つまり外国に対する圧力である。
トランプ陣営が選挙中に批判していた国は、まず隣国であるメキシコ。
そして輸出競争力のある、中国や日本。
問題は後者である。
中国と日本は、世界で米国債の債権国上位1位、2位である。
アメリカが海外への圧力を強める
→関税の税率を上げる
→外交関係の悪化
→米国債の債権国が売却するリスク増加
→米国債の連想売り
という一見あり得ないシナリオ。
しかしトランプ氏の演説を聞く。あの暴言で勝てるわけがないと皆が思った。しかし、あの演説で国民からトランプ氏が選ばれたという事実。これは重く受け止めるべきだと感じる。
日本が米国債を売るわけがないという意見。
では、中国はどうだろう。
アメリカとの関係が悪化したら躊躇無く米国債を売らないと言い切れるだろうか。
また、日本に対してアメリカが厳しい要求を行っても不思議ではない。
円安が目立つのも、その政治的リスク高まりから示しているのでは?と勘ぐってしまう。
アメリカが保護主義に傾く。世界も同じように動くと見るべきだと思う。
- 世界が保護主義に傾く中で、NYダウが最高値を更新しているが、いつまで持続するのか?暴落する可能性もあるのではないか?
- 日経平均銘柄は輸出関連銘柄(グローバル企業)が多いが、アメリカがこれまで通り消費大国として受け入れてくれるのか?
- アメリカ国内はトランプ氏でまとまるのか?
→分裂の可能性は本当にないのか
常識で言えばトランプ陣営は勝てなかった。ならば、これからも常識を覆すニュースが発生する。そう思うべきなのだろうと。だから飛躍した考えも幾つかは当たるのかもしれない。