日銀のETF購入について少し考えて見た その1
日銀のETF購入とは?
日銀は、年間6兆円規模のETF購入を今年7月の金融政策決定会合で決定しました。
ETFは、投資信託(複数の株式)をパッケージ化したもの。
つまり、日銀は株式を買い集めているということです。
このETF購入が、どういうものなのか?
少し考えて見ました。
日本経済をヒトに例えて考えて見た
日銀のETF購入について考える前に、日本経済を一人のヒトとして考えてみました。
登場人物は
- ヒト:日本経済
- 医者:日本銀行(政府)
の2人。
ヒトと医者は、病気の時だけでなく健康な時も関わりを持ちます。
そう、健康診断です。
ヒトは健康診断を行い、血糖値などを見て問題があった場合、
医者は治療を行う訳です。
この話を経済に置き換えると、下のようになりそうです。
日銀は、発表される経済指標を見つつ、金融政策決定会合で判断します。
今回、問題がありと判断したため、ETF購入をしたわけです。
ちなみに、日銀は日本経済を、物価上昇率2%にすることを目標としています。
つまり、それが日銀が定めた健康の基準なのでしょう。
日銀のETFの購入について少し考えて見た
先程、ETF購入は治療だという例えをしました。
次に、この治療方法が適切かどうかを考えなくてはいけないのでしょう。
現状のETF購入は、多くはTOPIXの指数銘柄。
つまり、ほぼ東証1部の銘柄に限られているはずです。
現状の東証1部が、どうなっているのかを見る必要がありそうです。
売上高・営業利益、過去最高に 東証1部企業3月期決算:朝日新聞デジタル
SMBC日興証券が12日時点での東証1部上場企業(金融などを除く)の決算内容を集計。未発表企業(約3割)は公表済みの業績見通しなどで推計した。その結果、円安で輸出企業の採算が改善し、原油安がコスト削減につながったことで、16年3月期は売上高が前年より1・0%増の491兆9560億円、営業利益は10・5%増の33兆5550億円になりそうだ。
東証1部は、過去最高益を16年3月期に。
基本、治療として薬を処方するなら、悪いところを良くするはずです。
しかし、東証1部は最高益と好調のようです。
では、それでもなぜETFを購入しているのでしょうか?
→偉い人の考えることは、わかりません!
(でも17年3月期は、16年よりは悪くなりそうですからね……はい)
さて、ETF購入は適切かと言われると少し疑問に思います。
そもそも、日銀の物価上昇率2%という健康指標が間違っている可能性もありそうですが……。
日銀のETF購入の先について、少し考えて見た
目標に対して適切な処置なのかは、ひとまず置きましょう。
- ETF購入の成功、失敗の判断基準?
これについて考えて見ます。
対象銘柄の東証1部は、一流企業が多いため優良企業であるという見方が出来ます。全体を見ると正しいですが、一部を見るとそうとは言えません。
最近の例を挙げるなら、シャープです。
シャープは東証1部の中でも、さらに優秀な企業として扱われてきた過去があります。
しかし、現状は見る影もありません。
(現在、東証2部になりました)
ETF購入の正しさは、その企業が、『健康になれるのか?』が重要な気がします。
ETF購入しても、企業が潰れてしまったら紙くずです。
例えに戻すなら、
医者が手を尽くし、延命措置をしているだけというのは、
日銀という立場では、許されないような気がします。
- 今後、日本の企業は、成長する目があるのか?
ETF購入の成功判断は、結局そこに行き着くような気がします。
最後に
日本で新しく急成長して、一流企業の仲間入りする企業が少なくなっている。
そんな気がします。
それは、出る杭は打たれるとか、伝統を重んじるという文化的な要因もありそうです。
しかし、今回の日銀ETF購入は、新興企業にはマイナス要因になるかもなと少し考えてしまいます。
参考
追記
1回では終わらない気がするので、その1とします。
その2は、半年後かな…